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小・中学校地図帳が600mと1400mの等高線を採用しているのはなぜですか。

 小・中学校地図帳の日本地図においては、あえて600mと1400mの等高線を採用しています。これに、2000mの等高線も加えて、高さを4段階で大まかにとらえられるようにしています。
 日本で最も標高が高い人口10万以上の都市は松本市で、その標高は610m(気象庁のアメダスの標高)です。つまり、600mの等高線には、これより低いところに人口や様々な産業の集中が見られるという意味が込められています。
 一方、標高600~1400mの地域では、都市はあまり多く見られないものの、畑作や果樹栽培などの農業や林業などが営まれており、人々が生活しています。しかし、標高1400mを超えると山林が多くなり、産業がほとんど見られなくなります。1400mの等高線にはこうした意味が込められています。ちなみに、高原野菜で有名な長野県の野辺山原にある野辺山駅の標高は日本で最も高い1345mです。野辺山駅の周辺は広大な野菜の畑が広がっていますが、標高1400mを超えると畑は少なくなり、1500m付近まで上がると野菜はほとんど作られなくなります。
 このように、小・中学校地図帳では、人々のくらしや産業を読み取れるように表現方法を工夫しています。なお、高等学校地図帳の日本地図では、100m、200m、600m、1000m、1600m、2000m、3000mの等高線を設定し、高校生の地理学習にふさわしい精度で地形の起伏を読み取ることができるように工夫しています。