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三重県は近畿地方なのですか。

 地方の区分に明確な決まりはありませんが、教科書で用いられている7地方区分は明治時代に使われるようになったもので、学校教育では1903(明治36)年発行の国定教科書『小學地理』で、公式に取り扱われました。その中で三重県は近畿地方に含まれていますが、その背景には歴史的な経緯があるようです。
 「近畿」とは「畿内とその周辺地域」という意味であるとされており、三重県も京都や奈良に都があった際の圏内だったようです。実際、三重県では関西弁に含まれる方言が使われているなど、生活・文化的な面で近畿地方と深い関係があります。そのため、三重県は7地方区分では近畿地方に含まれます。
 一方で、三重県は北部を中心に、中部地方との結びつきも深い県です。例えば、四日市市など伊勢湾沿いに発達した工業地域は、愛知県の名古屋市を中心とする中京工業地帯に含まれますし、三重県内から名古屋市に通勤・通学する人も少なくありません。そのため、三重県を「中部地方」としてとらえることもあるようであり、三重県を中部地方の管轄とする国の出先機関もあります(例:国土交通省中部地方整備局は、三重・岐阜・静岡・愛知・長野県南部の5県を管轄)。また、三重県を愛知県・岐阜県・静岡県と合わせて「東海地域」として扱うことも多くなっています。