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「平野」「平地」「低地」の違いは何ですか。

 「平野」とはその名の通り、山地などに対して広く平らな地形のことで、地形学上の学術用語です。平野には、長い間の侵食や風化作用により地表が平坦になったものと、河川や海水の堆積作用により形成されたものとがあり、日本にある平野は後者となります。平野を細かく見ていくと様々な種類があり、扇状地・三角州・台地なども平野に含まれます。
 「平地」とは正式な学術用語ではなく、単に平坦な地表面をもつ地形のことを指すときに用いられることが多いようです。つまり、平野や台地、盆地など、周囲と比較して相対的に比高(高低差)の少ない地形が平地に分類されるといえます。
 一方「低地」とは、周辺部に対して相対的に高度の低い土地を指します。例えば、東京都東部の低地(いわゆるゼロメートル地帯周辺)は、西部の武蔵野や東部の下総台地よりも相対的に高度が低い土地なので、低地ということが多いようです。しかし、平地と同じく厳密な定義があるわけではなく、盆地を含めた高度200m以下の土地を表す場合、河川沿いの大規模な低い土地を表す場合、平地や台地に対する用語として用いられる場合など、文脈によって意味合いが変わることもあります。  
 このように、地形用語は似通った語が多く、また形成要因などもそれぞれ複雑です。