- 小学校 5年
地図 with 絵記号のひみつ ~焼き物のひみつ~
2026年度 後期号
◆地図 with 絵記号のひみつ
焼き物のひみつ
地図帳の絵記号は、同じように見えても、産地による特徴の違いによって描き分けられています。今回は焼き物の絵記号に注目し、佐賀県と長崎県にある焼き物の産地と絵記号の違いについて紹介します。
地図帳p.37の九州地方北部の地図を見ると、佐賀県や長崎県に、さまざまな焼き物の絵記号があるのがわかります。個別で見ると気づきにくいかもしれませんが、実は焼き物の絵記号は、その特徴によって描き分けられています。
たとえば、絵柄の美しさが特徴の伊万里焼や有田焼は、白磁(はくじ)や藍色で下絵を描いた染付(そめつけ)に、赤や金などの上絵(うわえ)を描いた色絵と呼ばれる器をイメージした華やかな絵記号が使われています。伊万里焼と有田焼は産地が異なりますが、江戸時代に現在の佐賀県有田町で作られた磁器が、最寄りの伊万里港から出荷されたことから伊万里焼(古伊万里)と呼ばれていた経緯があり、地図帳でも同じ絵記号が使われています。宝石のように美しい古伊万里は、海外でも人気を博し、ヨーロッパの王侯貴族の宮殿にも飾られていました。
一方、安土桃山時代から続く唐津焼は、「土もの」と呼ばれる素朴で力強い風合いが魅力であり、薄い茶色の陶器の絵記号として描かれています。江戸時代には京都や大阪で人気となり、焼き物といえば「からつもの」といわれるほどでした。長崎県の波佐見焼は、江戸時代に庶民の食文化を支える染付や淡い青緑色をした青磁(せいじ)を大量に生産した歴史を持ち、青磁をイメージした絵記号で表されています。ほかにも石川県の九谷焼(p.57)や滋賀県の信楽焼(p.46)、岡山県の備前焼(p.40)など、日本のさまざまな焼き物の絵記号を地図帳で探してみましょう。




