• 小学校 5年

なるほど!授業実践 5年生 ~地図上で自動車を組み立てよう~

2026年度 後期号

◆なるほど!授業実践 5年生

地図上で自動車を組み立てよう

愛知県 南山大学附属小学校 教諭 水越建太

学習指導要領との関連

(1)我が国の工業生産 わたしたちのくらしを支える工業生産での活用

「わたしたちのくらしを支える工業生産」では、地図帳を活用することで理解を深めることができます。愛知県の自動車組立工場と関連工場をつなげることで、それぞれの立地の必然性について考えてみましょう。

問い

自動車の組立工場に自動車部品を集めよう。どこでどのような部品をつくっているだろう。

地図帳p.61

地図帳p.61

部品工場から組立工場まで地図上を指でたどる

部品工場から組立工場まで地図上を指でたどる

1

単元「わたしたちのくらしを支える工業生産」で地図帳を使ってみよう

5年生の「わたしたちのくらしを支える工業生産」では、消費者の注文に合ったたくさんの自動車を、どのようにして早く正確につくっているのかを学ぶ場面があります。自動車の組立工場を中心に、自動車部品などの関連工場が集まっていることの利便性は、地図帳を使って発見させることができます。地図の中にあるさまざまな部品を探すだけでなく、必ず指で道路をたどりながら組立工場に運ぶようにします。そうすることで、組立工場と部品工場という点と点を、線でつなぐ交通網の存在にも気づくことができます。

地図を指でたどる児童

地図を指でたどる児童

2

自動車部品を組立工場に集めてみよう

はじめに、地図帳p.61から8つの組立工場を探します。「豊田市の辺りに7つもある!」「もう1つはどこ?」と子どもたちは目を見開いて探します。次に、製鉄所(鉄)を探し、組立工場に届けます。続いて、凡例に書かれているエンジンをはじめとした主要な部品を探し、組立工場に届けます。それが終わったら、凡例の中の「その他の部品」として、地図上には記号とともにシートベルトやブレーキなど赤字で書かれているものを探していきます。この作業は、自動車が約3万点と言われる多くの部品から成り立っていることを実感することにもつながるとともに、何より宝探しのようで児童は夢中になります。「こんなに離れたところでエアバッグをつくっているよ!」「山の方でバネと塗料を見つけたよ!」など、立地に関わる児童のつぶやきも、ぜひ取り上げたいものです。一見、組立工場から遠く不便に見える場所でも、近くに高速道路が通っていることに気づくことができます。

地図帳p.61の凡例

地図帳p.61の凡例

3

「わたしたちのくらしを支える工業生産」で地図帳を活用する意義

一つだけ離れて立地している三河港の組立工場について疑問が出てきた際は、港に工場があることの良さを考えさせたり、近くに部品工場が集積していることに気づかせたりすると良いでしょう。

さらに、Googleマップなど地図アプリを活用して、部品工場のある場所を確かめてみると、CMで見たことがある会社や、聞いたことがある社名の会社を発見し、子どもたちの生活と結びつけることができます。

このように地図上の点と点を目と手でたどる作業は、工場同士のつながりや、地形・交通網といった立地条件を、子どもたち自らが考える力を育みます。教科書の文章だけでは実感しにくい「距離」や「広がり」を体感的に捉えられることこそ、地図帳ならではの学びと言えるのではないでしょうか。

児童による活動で使用したワークシート

児童による活動で使用したワークシート