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「6次産業化」は足し算、掛け算のどちらですか。

 弊社の教科書・教材では、農林水産省の表記に準じて掛け算を用いています。出典元の農林水産省ホームページによると、6次産業の6とは、「農林漁業本来の1次産業だけでなく、2次産業(工業・製造業)・3次産業(販売業・サービス業)を取り込むことから、1次産業の1×2次産業の2×3次産業の3のかけ算の6を意味している」とあります。
 そもそもこの概念は、1990年代に東京大学名誉教授で農学博士の今村 奈良臣 先生が創出された概念です。当初は今村先生も「1、2、3を足して6」とされていたようですが、この提唱から2年後に、「足し算では一次産業の重要性を説く上で不十分(すなわち、1次産業がゼロになったら、ほかの産業をいくら掛けてもゼロになってしまうという警鐘を鳴らすため)」、「掛け算にすることによって、1次・2次・3次産業間の有機的・総合的な結合が重要であることを説く」という意味で、掛け算に改めたようです。